マイクロエンド,顕微鏡エンド,マイクロ精密治療,歯根破折,の八ヶ岳歯科
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マイクロエンド2
臨床例 左上4番(上顎左側第一小臼歯)の根管治療
拡大倍率はおよそ10倍です。
根管内中央部(イスムスといいます)に汚染された歯質があるので、これを慎重に除去していきます。
ある程度除去が進むと、過去の根管充填剤(オレンジ色)が
周囲の汚染歯質とともに現れてきました。
超音波切削器と大量の水を使用してこれらの汚染歯質を除去・洗浄していきます。
汚染歯質がほぼ除去出来ました
根管内の乾燥には必ず
EOGガス滅菌
をしたペーパーポイント
※
を使用します。
これからさらに倍率を上げて根管先端部の処置に進んでいきます。このような治療は肉眼やルーペ(拡大鏡) では不可能です。
国内最大倍率
で根尖孔(根の先の穴でそこから神経などが通っている)を直視しています.2個あります.
このように、精度の高い臨床を行うことによって、この歯はより長持ちすることが期待出来るようになり、
抜歯からインプラント・入れ歯・ブリッジになってしまう確率を下げることが出来るのです。
以上のことから、マイクロスコープ(手術用顕微鏡)は歯科臨床の成績向上に大きな恩恵をもたらしてくれるまさに「鬼に金棒」です。しかしマイクロスコープはあくまでも「金棒」であって、これを操作する歯科医師にも「鬼」であることが要求されます。
患者さんには治療の間、ラバーダム防湿の使用もあいまって1時間近く(難症例では2時間近く)口を開けたままになるなど、ご辛抱していただく必要があります。
しかし、高度な歯科治療を行う上での大事なことですのでご協力をお願いします。
※ペーパーポイント
ペーパーポイントとは、この写真のように紙(ペーパー)で出来た筒のようなものです。用途は根管内の水分の乾燥、止血、薬品の塗布、MTAの充填などです。当医院では、写真のように現在市場に出ている全てのサイズ(#15~#130)のペーパーポイントを準備しています。
それも
EOGガス滅菌
を容器ごと行ったものをもちろん滅菌したピンセットで取り出して、根管内に使用するまでピンセット以外は使用しません
。
通常、このような用途にはブローチ綿栓(下記の画像)が使用されています。断面が四角い金属の棒(ブローチ)に綿花を指で巻きつけて使用します。指で巻くということは、そこに付着している細菌を綿栓にこすりつけているようなもので、使う前に火であぶったりするものの、滅菌は出来ません。
撮影用に引っぱり出して、久しぶりに巻いたものですから上手ではありません、学生時代にはOKが出るまで(いい形になるまで)
何回もやり直しさせられたものです
根管治療の予後を決定づける大きな要素の一つが、いかに無菌下で治療できるかにかかっています。そのためには、全ての器具の滅菌、全ての材料の滅菌、ラバーダム防湿が不可欠です。ペーパーポイントの使用はその流れの一環ですが、そこでブローチ綿栓を使用することは、滅菌の環が切れてしまうことになるのです。
根管治療の材料は特に熱や水分を加えると変質する材料が多いために、オートクレーブ(高圧蒸気滅菌機)にかけることができません。
そこでEOGガス滅菌機が不可欠になるのです。EOGガス滅菌機では例えば、ゴムやプラスチック製品、粉末、紙製のものでも水分や熱が加わらずに平気で滅菌が出来るからです。
また重要なことに根管治療で使用されるほとんどの材料、器具類はメーカーから購入したそのままでは滅菌されていません(一部のメーカーでペーパーポイントを滅菌した物を用意していますが)。全ての物を滅菌して初めて根管治療でも良好な予後を残せるのです。
歯内療法の器具材料は年々新しいものが出てきますがそれに飛びつく前に自分の歯内療法が
無菌環境下で
出来ているかを検証するべきかもしれません。
私も今まで
無菌環境下でのエンドを目指して努力して来ましたが、
マイクロ、CT、Ni-Ti(ニッケルチタン)ファイル、、エンドモーターや現在のような多種多様なテクニックもない時代
であっても良好な予後を残せて来たのはツールやテクニック以前にラバーダムを含めた無菌環境意識がもっとも効果を上げたのではないかと思うこのごろです。
Ochsenbein
のことば
「しばしば歯科医師は自身の学術的・技術的な熟練度ではなく、治療材料に信頼を置く傾向がある。歯科医師は多くの治療材料に囲まれて教育されており、そのために問題を解決する時にも、器材や治療材料に依存しすぎる傾向が強い」
と戒めています。
Ochsenbeinの言っている事は、高価なマシンが無くても
ドリップで美味しい珈琲が出来るのと同じです。
もちろん、腕の卓越したマイスターが、薫り高い豆を挽いて
、
ていねいに煎れてくれれば最高です